戦場選択 |
| ―ザザァ… ―ザザァ…ザァ…… ―ザザァ… |
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ソードフィッシュ | …………………… ………………………………………… ………ふむ。 …………………… どうして…こんなことに……… |
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| ―ザザァ… ―ザザァ… |
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ソードフィッシュ | …………………… ……こんなはずではなかったのだが。人生とは、何があるかわからないね…。 |
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| ―――――――― ―― 遡ること 数時間前 ―― |
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ラーダー | アイヤー!今日は一段と暑いアル!もう汗だっくだくネ! |
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ロリス | 本当よねー…… お師匠の付き添いじゃなかったら間違いなくこんなところ来ないわよ。 |
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ラーダー | 着替えたいアル…着替えたいアル……でも水着を家に忘れてしまったネ…… |
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ロリス | ボルクスお師匠…急に私たちを連れ出すんだものね…… 水着の準備も出来なかったわよ…… |
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| ――ギラギラ |
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ロリス | 暑い……冷たいかき氷を思いっきり食べたい気分だわ…… |
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ボルクス | 喝ッ!!! |
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ロリス&ラーダー | ひぃっ!? |
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ボルクス | 全く…お前たちは根性がたるんどる!! |
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ラーダー | ボルシショウ! ロリスとラダ子…もう溶けてデロデロになるネ! 今日は…わざわざ海辺に何しにきたアル?? |
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ボルクス | 日焼けじゃ。 |
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ロリス&ラーダー | 日焼け!!? 日焼けアル!!? |
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ボルクス | 最近雪山に篭りすぎたせいか… 自慢の小麦色の肌がすっかり白くなってきての…… ここいらでいっちょこんがり焼いておこうかと思っての! うわっはっは! |
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ロリス | (…今でも既にこんがり状態だと思うのだけれど…) |
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ラーダー | (…かき氷…食べたいアル…) |
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ボルクス | それに見ろ、(プレイヤー名)を! 暑さをものともせず、じっと耐えているではないか!! |
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ロリス | …ねえ、(プレイヤー名)。その司令服…暑くないの? |
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ラーダー | (プレイヤー名)もきっと汗だっくだくアル! ボルシショウとロリスとラダ子で脱がしてあげるネ!! |
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ボルクス | それはいい!(プレイヤー名)も日焼けせよ、日焼け! |
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ロリス | これで(プレイヤー名)も… ”こんがり司令官”として(所属国名)で益々有名になっていくのか…… …それも悪くないわね…♪…てことで |
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ロリ&ラダ&ボル | 覚悟!! |
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??? | お~~~~~~~~い!! |
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ボルクス | ムムッ!?その声は!? |
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ポッポ | ボルクス殿!ボルクス殿ではないか! こんなところで会えるとは思わなかったのう!! |
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ボルクス | なんと、ポッポ殿!!一体何をしているのじゃ!? |
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ポッポ | なあに、いつも訓練・訓練じゃと弟子達も疲れてしまうと思っての! 気晴らしに海に来たのだよ! |
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ボルクス | そうじゃったか、そうじゃったか! …ということは、ポッポ殿の傍らにいるのが? |
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ポッポ | 自慢の弟子たちだ!ほれ、自己紹介するんだ! |
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ディエール | ディエールと申します。ボルクス殿、お初にお目にかかります。 |
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スペキオス | …………………………… |
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ディエール | ――ぎゅっ |
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スペキオス | いてぇっ! |
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ディエール | …スペキオス。さすがに初対面の人の前で あからさまに不機嫌になるのはどうかと思うわよ? |
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スペキオス | ……ちっ!………スペキオスだ。 というか……ディエール!この状況、何か思わないのかよ!? |
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ディエール | 何か…って……別に何も思わないわよ。 強いて言えば、普段の修行の気晴らしに師匠がわざわざ海に連れて来てくれたことに 感謝をしなければ、と思っているわ。 |
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スペキオス | ちげーよ…ちげーんだよ……あのな… 俺はな…今な… |
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| ――ギラギラ(太陽が照りつける音) |
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スペキオス | ……今な…… |
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| ――ギラギラギラギラ(更に太陽が照りつける音) |
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スペキオス | あっちいいいいいいいいいいいいいいいいいいんだよ!!!!! 俺、この装備なんだぞ!全身鎧に包まれてんだぞ!! 蒸すんだよ…すげー蒸すんだよ…… |
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ディエール | あらら……でもそれも修行の一環になるんじゃない? 体力とか…暑い場所での戦い方とか…… |
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スペキオス | あのな、もうこの鎧の中は マグマが身体を伝ってるみたいに暑いんだよ…… 修行とか言ってらんねーんだよ…… その点いいよなディエールは… 胸のところから風が入ってきて涼しいだろうに…… |
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ディエール | ……スペキオス……胸のことは触れないでって約束したわよね……? |
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スペキオス | !? あっ、いやっ、そのっ、なんだ… |
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ラーダー | アイヤー!暑い!暑いアル!スペキオスから尋常無い熱気出てるネ!! |
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スペキオス | ………ひーー……はーー……… |
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ロリス | 仕方ないわね……ほら。私の竜巻攻撃で涼みなさい。 |
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| ―――びゅおぅっ! |
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スペキオス | ……おお!涼しい風が!!ありがとう、ロリス! |
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ラーダー | スペキオス!あんまりロリスに近づくと ラダ子のインテンスファイで吹っ飛ばすアル! |
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スペキオス | ……それは勘弁だ……… |
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ポッポ | がっはっはっはっは! どうやら弟子同士は既に知り合いだったようだな! |
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ボルクス | そのようじゃな! だが、こうしてそれぞれの流派の師匠と弟子が一緒に顔合わせというのも悪くない! そうじゃ、今度クヌートやアネイトの弟子たちとも交えて親睦会でも開いたら面白そうじゃな! |
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ポッポ | …ク、クヌート殿か………ふ、ふむ!悪くない提案だ!考えておこう! |
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ボルクス | ふむ…そういえばポッポ殿が現れるまで 何かしようとしていたような…… |
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ロリス | 何か……… |
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ラーダー | あっ!(プレイヤー名)の服、脱がすネ!! |
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ディエール | ええ!?何でそんなことに…… |
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ロリス | いいからいいから♪さあ、(プレイヤー名)…かくご… |
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| ――ざっぱあああああああん!! |
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ロリス | え、何の音…? |
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スペキオス | !! ロリス、あそこだ!!海のほうに!! |
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ロリス | ええっ!?あ、あれは!!? |
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ソードフィッシュ | (はぁ…はぁ……高潮に巻き込まれて… 知らない海岸に着いたようだ………) (ここはどこだろう…(敵国名)だといいのだが…) |
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ラーダー | ボルシショウ!!あれは何アル!? |
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ボルクス | むむっ、あれは!! |
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ポッポ | 新手の魔物か!? |
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ロリス | なっ…魔物ですって!?ちょ、ちょっと、どうするのよ! |
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スペキオス | 決まってる!俺たちで迎え撃とうぜ! |
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ロリス | ……そうね! この辺りには村もあるし危険に晒すわけにはいかないわ! |
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ディエール | そうと決まれば、戦いましょう! |
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ポッポ | うむ、決まりだ!私とボルクス殿は近隣の村から網をもらってくる。 |
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スペキオス | ええ!?一緒に戦ってくれよ、師匠!! |
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ボルクス | 喝ッ!!! |
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スペキオス | ビクッ |
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ボルクス | 弟子たる者、師匠に甘えることは断じてならん。 …スペキオスよ。これも修行じゃ。 4人で…食い止めてみせよ!! |
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ロリス | はっ…… |
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ディエール | はい!! |
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ラーダー | アイヤー!やってやるネ!! |
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スペキオス | ちっ…この暑い中で……あの魔物…この大剣のサビにしてやるぜ…… |
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ポッポ | (プレイヤー名)も4人の援護を頼んだぞ! |
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準備完了 |
ソードフィッシュ | (……あんなところに人がいる… ここが何処か、話を聞いてみるとするか) (……ん?様子が変だな……まあいい) あの、すみませーん!ここって…… |
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ロリス | きっ、来た!!行くわよ!! |
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スペキオス | おう!! |
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ディエール | ま、待って! 今あの魔物、喋ってなかったかしら!? |
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ラーダー | 何も聞こえなかったネ!さあ、かかってこいアル! |
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ディエール | (…気のせいだったかしら…) |
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第1波終了 |
ソードフィッシュ | 何故私はいきなり攻撃されているのだ・・・? …ふむ、なるほど。私の姿勢が悪いせいで顔が見えないのかな…? …では………姿勢を正して………これでよし。 では改めて… おーーーーーーーーーーい!!! |
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ロリス | !! な、なに、あの魔物……人の顔が入ってる!? |
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スペキオス | あんな魔物は見たことねぇ…… も、もしかして…『人面魚』……なのか……!? |
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ディエール | ね、ねえ!やっぱり人の声が…… |
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ラーダー | 聞こえないネ!!ぶっ倒すネ!! |
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ディエール | (あ、あれー……?) |
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第2波終了 |
| ―――びゅおぅっ! ―――ズガガガガガガガッ! |
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ロリス | ふぅ……あの魔物…… 何度押し返してもこちらに来るわね……しつこいわ… ……って。スペキオス。あんたさっきから私と近くない!? |
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スペキオス | い、いやー…ロリスの近くにいると涼しくてな…… いつもより調子が上がる気がするんだ…… |
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ロリス | …ふーん…… まあ、スペキオスが戦いやすいなら勝手にしたら? |
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スペキオス | ありがとう、恩に着るぜ! |
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ディエール | (……何よ、さっきからスペキオスったら… ロリスさんの近くでずっと戦って……) |
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ラーダー | (あのスペキオスという男!さっきから何アル!? ロリスと距離が近すぎるネ!!) |
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勝利 |
ソードフィッシュ | ……話しかけただけなのに……ひどい目に遭ってしまった。 しかし…任務上これを脱ぐわけにもいかないからな。 どうすべきか……ん? |
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ポッポ | おーーーーーーーーい!!待たせたの!! |
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ボルクス | うわっはっは!!この網で… |
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ポッポ&ボルクス | 一 網 打 尽 じ ゃ あ あ あ あ ! ! |
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ソードフィッシュ | !!? な、なんだあの超巨大な網は…… |
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ポッポ&ボルクス | うおおおおおおおおおおおおおおおお!!! |
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ソードフィッシュ | ふむ…ものすごい勢いで追ってくるな…。 このままでは網にかかった悲劇のマカジキになってしまう…。 よし、ここは! |
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| ざぶぅぅぅぅん |
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ロリス | ああっ! |
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スペキオス | 逃げた!! |
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ポッポ | ぬっ!逃げられたか! |
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ボルクス | あと一歩のところじゃったのに……惜しいのう…… |
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ラーダー | アイヤー!そ、そんなことよりスペキオス!ロリスから離れるネ! |
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ディエール | …そ、そうよ!ロリスさんも迷惑そうでしょ? ほ、ほら、スペキオス! |
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スペキオス | …な、なんだ二人とも…俺はただ涼みたくて…… |
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ポッポ | ん? |
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ボルクス | …今、何と? |
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スペキオス | い、いや、だから涼みたくて…… |
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ポッポ&ボルクス | 涼 み た い じ ゃ と ! ? |
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スペキオス | !!!!! (…し、しまった!!) |
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ロリス | …さ、さあ、ラダ子、ディエール。 私たちはあっちで(プレイヤー名)と遊びましょうか……。 |
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ラーダー | 了解ネ!ほ、ほら、(プレイヤー名)も一緒に行くアル!! |
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ディエール | …ほ、ほかの一門の人たちと交流するのも大事だから…… ご、ごめんねスペキオス… |
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スペキオス | !! お、おい!頼む、待ってくれ!!俺を一人にしな… …あ…行っちゃった……… |
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ポッポ | …では、スペキオス。何か言い残すことはあるか? |
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スペキオス | あああ…俺の夏が…終わる…… |
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ボルクス | がっはっはっはっは!安心せい! わしたちがお主に「最高の夏」を見せてやるわい! |
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スペキオス | ぎ、ぎぃやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……… |
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| ―――――――― ―――― ―― ―ザザァ… ―ザザァ…ザァ…… ―ザザァ… |
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ソードフィッシュ | …まさか巨大網で追いかけられるとは… 人生何があるかわからないね、本当に。 …そもそも海辺でマカジキの格好をして独り言を呟いているこの状況が 既に怪しいのかもしれないね。 …ふむ。かといってこれを脱ぐ訳にはいかないし…… |
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| ―ザザァ… ―ザザァ… |
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ソードフィッシュ | 一人で物思いにふけるのも悪くないね。 …もう少し、こうしていようか。 |
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